画像1: 選手強化から審判、指導者の向上まで、多方面から”スポーツの質”を上げていくスポーツICTとは?

あと2年後に迫った2020年東京オリンピックに向けて、選手の強化だけでなく、観光客を受け入れる準備など、日本国内でさまざまな活動が活発になってきています。そんな中、AIなどの最新テクノロジーを駆使してスポーツ業界に革命を起こそうとする企業があります。富士通株式会社です。

画像2: 選手強化から審判、指導者の向上まで、多方面から”スポーツの質”を上げていくスポーツICTとは?

これまでアスリートを支援し、数多くのオリンピック選手を輩出すると同時に、スポーツの発展に寄与してきた富士通。近年では、ICT(Information and Communication Technologyの略で、既存の事業や施策においてテクノロジーを活用する施策のこと)をスポーツ業界に導入し、人をエンパワーメントする取り組みを行っています。例えば、体操競技においては、AIなどのICTを活用して審判をサポートするシステムの開発を開始し、注目を集めています。

スポーツ業界にAIなどのICTが使われることで、どのようなインパクトがあるのでしょうか?今回は、東京オリンピック・パラリンピック推進本部の本部長代理である保田益男さんに、富士通の取り組みと導入の背景についてお伺いしました。

国際的なスポーツイベントに向け、ICTをスポーツに

富士通は、今後開催される国際的なスポーツイベントに向け、選手の育成とチームの強化、そしてイベントの成功に向け、さまざまな協力をしていきます。その核となるのがICTの開発と導入です。スポーツ業界ではまだまだICTが浸透していません。国際的なスポーツイベントでICTをどのように使ってもらえるか、その戦略を考える部門を2015年4月に設置しました。

また2016年には、プロ化したバスケットボールのBリーグのスポンサーになりました。

国際的なスポーツイベントは、数年に1度しか開催されません。その点、Bリーグなどのスポーツリーグは、毎年継続して行われ、シーズンがあります。そのため、私たち富士通では、数年に一度開催される国際的なスポーツイベントと、毎年継続して行われるスポーツリーグの両方にフォーカスして取り組んでいくことにしました。

システムは身近なものを応用させる、スポーツICT

富士通が「ICTをスポーツ業界へ」という目標を掲げたとき、システムを一から作るのではなく、既存の技術を活用することにしました。例えば、バスケットボールに導入するICTは防犯カメラなどの認識技術と、クルマの車番認識技術が使われています。

防犯カメラの認識技術を応用して、人の動きに合わせてドリブル・パス・シュートを自動で認識させます。選手には何も身につけさせることなく、カメラだけで動きを判別することができるのです。

しかし防犯カメラは人がいることはわかっても、個人を特定することはできません。バスケットボールのコートで言えば、”誰”のプレーなのかが判断できないということです。

そこで選手の背番号で識別するようにしました。顔で識別しない理由は、選手が後ろを向いていると、識別できないからです。では、どのように背番号を認識させるのか?

背番号を識別するために、私たちは高速道路などで使われている車番を認識する技術を活用しました。課題となったのは、背番号を認識しても、2チームだと同じ番号が2つ存在するため、その違いも認識しなければいけないこと。この問題を解決するために私たちが着目したのが、色で識別する技術です。色の識別は、機械学習によって可能になります。

このような技術で選手の動きを捉え、選手強化や試合の記録に活用しようとしています。

レーザーを用いてデータを取得。体操の技を機械に記憶させる

バスケットボール以外で今、力をいれているのが体操競技です。国際体操連盟や日本体操協会と連携し、体操競技の審判員の採点を支援するシステムを開発しています。1秒間に約200万回のレーザーを発する3Dレーザーセンサーで選手の動きを捉え、そこに骨格認識技術を加えることで、人の動きを3次元で認識することができます。そこにあらかじめ取得しておいた、AIによって高速マッチングさせることで、選手の技を認識し、審判をサポートできるようになります。

スポーツICTはこんなところで役に立つ

画像: Aspen Photo / Shutterstock.com

Aspen Photo / Shutterstock.com

このように、スポーツによってICTの活用方法はそれぞれに異なります。では、具体的にスポーツICTはどのように活用されるのでしょうか?

例えば練習中のバスケットボールで綺麗なフォームをICTで見える化して、1回目、2回目、3回目のフォームのズレを分析しても、そのデータはフリースローのときなどにしか使えません。プレー中はディフェンスが存在し、互いに体をぶつけ合いながらやっているので、綺麗なフォームでシュートを打てることは少なく、再現性が限りなく少ないからです。バスケットボールでは、どんなフォームでもゴールすればいいわけで、美しいフォームが必ずしも必要ではありません。

プレー中に再現性が求められるのは、スリーポイントシュートです。バスケットボールの本場であるアメリカNBAでは、得点源の多くがスリーポイントシュートです。スリーポイントシュートは、比較的フリーな状態でシュートを打てることが多いため、日本選手が体格差のある外国人選手たちと戦うには、確実に決めるべきポイントの一つです。つまり、日本が世界と戦うには、このスリーポイントシュートの技術をもっと磨かないといけない。背が低くても、いつでも、綺麗なシュートを打つことができれば確実に得点のチャンスは広がります。

このスリーポイントシュートの精度を高めるために、正確性や綺麗なフォームを計測できるのがスポーツICTであり、今まさにBリーグから求められているテクノロジーでもあるのです。

スポーツICTが審判をサポートする

画像: pendakisolo / Shutterstock.com

pendakisolo / Shutterstock.com

スポーツICTは、選手の育成・強化だけでなく、採点競技における審判の精度を上げることも目的にしています。

例えば体操では経験のある審判員の方々でも演技の判定に迷うことがあります。しかし、審判員の方々が、判定するときにこの体操の採点支援システムがあれば、審判の判定精度を確実に上げることができると考えられています。

採点競技では、審判の正確性がそのスポーツの向上に大きく影響します。スポーツICTにより、より正確な判定ができれば、それが選手強化にもつながるのです。そう考えると、スポーツICTの導入はより価値のあるものになります。

ただし、機械では判別にしにくい”美しさ”や”躍動感”といった芸術点が加味されにくくなり、競技そのものが無機質なものになってしまう可能性はあります。現実ではやはり、人間の目と、ICTをうまく融合させることが必要だと考えています。

審判の質とともに、指導の質も上がる

画像: 審判の質とともに、指導の質も上がる

さらに、コーチの指導力の向上にも、このシステムは変革をもたらすのではないかと考えています。Jリーグの元チェアマンであり、Bリーグを立ち上げた川淵三郎さんと何度も対談をしていますが、私たちのソリューションを見ていただいたときに、おっしゃっていたのは、スポーツにはICTは絶対に必要だということでした。

トップレベルで指導するコーチの多くは、コーチングのノウハウや技術を学ぶために海外に行って勉強してきた方がたくさんいます。しかしまだまだ海外のレベルには追いついていないのが現実だと、川淵さんはおっしゃっていました。つまり、選手の育成・強化をしていくためには、審判や指導者のスキル、能力も上げていかないと世界で戦える選手は育てられないということ。日本選手の競技力を底上げしていくためには、最先端のICTから得たデータや分析結果を活用できる、レベルの高い指導者を育成していくことも必要なのです。

課題はまだまだたくさんあります。でも客観的な視点から選手も指導者も課題点が見えるようになるスポーツICTは、確実に”スポーツの質”を上げてくれます。そうしたスポーツICTがもたらすスポーツ業界へのインパクトはかなり大きいでしょう。

AIをはじめとするテクノロジーでスポーツ業界に変革をもたらす。スポーツICTが、日本のさまざまな競技力向上につながることを私たちは信じています。

(PR)フィジタルをマーケティングに活用したい方におすすめのソリューション
drop: Phygital Marketing Lab

デジタルによるビッグデータの取得・活用と、リアルでのブランド体験の提供を両立

・フィジタルを通じたユーザー行動をデータ化し、マーケティングに活用
・リアルビジネスにフィジタルを融合することで、デジタル活用の機会が広がる
・感情をデータ化し、よりユーザー意向に合わせたデータマーケティングを実現

フィジタルマーケティングプラットフォーム

・データベースマーケティングの仕組みをVR/ARといった体験型コンテンツに融合
・コンテンツ価値を単なる「体験」から「継続的なコミュニケーション」を創出できる「起点」にする。
・未来技術と外部コミュニケーションをつなぐハブとなるプラットフォーム

dropのサービス

・フィジタルコンテンツ製品/サービスの企画・開発・運用
・フィジタルなイベント/製品などの告知・販促
・個々のフィジタル製品のネットワーク化
・フィジタルを通じて得たユーザーデータの分析
・フィジタルを活用したコミュニケーション設計、施策の企画・運用
・PDCAを通じて得た知見の反映・コンテンツアップデート
・その他、フィジタル領域に関する課題解決のご支援

詳しくはこちら

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.