医療分野でのVR活用は、日々多くのメディアで取り上げられており、ご存知の方も多いテーマでしょう。遠隔医療や精神医療など、医療の多種多様な分野で進化をしています。学術的な世界でも、“医療とVR”に関する論文も毎年多くが発表されており、世界中でとてもホットな話題のひとつです。

そして、すでに導入されている患者さんへの治療だけではなく、医学部や薬学部など、未来の医療従事者を育成する教育機関においてもVRの導入に力が入れられています。通常の座学ではもちろん、手術実習といった実践的な学習で活用される事例が、アメリカやカナダでは増えてきているのです。

今回はカナダのマギル大学医学部とアメリカの南フロリダ大学の薬学部の事例を中心に、医療教育でのVRの現在と将来をご紹介します。

医学部の手術訓練のシミュレーションでVRを活用する

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カナダのモントリオールにある、マギル大学(McGill University)の医学部。 世界の医学部ランキング※で24位に位置する、医療分野でとても有名な大学です。そこで、整形外科と神経外科の分野の手術のトレーニングにおいてVRをツールとして導入していくことが2018年6月11日に発表されました。

※高等教育に特化したイギリスのマーケティング会社である「QS」の調査

このVRツールの開発では、医療機器メーカーのCAE HealthcareとJohnson & Johnsonの子会社であるDePuy Synthes Products, Inc.と提携します。

“The new VR surgical training platform will provide a visual and tactile interface with which a clinician interacts by means of surgical tools connected to haptic controls that simulate complex clinical pathologies and intraoperative challenges. ”

「新しいVRの外科のトレーニングプラットフォームは視覚的・触覚的に臨床医が、複雑な病理や手術中の難しい技などをシミュレーションできるようになっています。」

“Use of VR as a surgical training method has been shown to result in improved patient care, superior accuracy, and faster speeds for the surgeon. The commercial market for VR applications in the healthcare industry is estimated to reach $3.8 billion globally by 2020.”

「VRを外科のトレーニングで使うことは、患者のケア、より優れた正確な技術、スピードの速さなどで成果が出ていることが証明されています。医療用VRの市場は全世界で2020年までに約38億ドルに到達すると見積もられています。」

出典:McGillUniversity to partner with industry in developing virtual-reality trainingplatform for spinal surgery

https://www.mcgill.ca/newsroom/channels/news/mcgill-university-partner-industry-developing-virtual-reality-training-platform-spinal-surgery-287588

これまでは限られた時間と場所でしかできなかった外科手術のトレーニング。VRを用いることでいつでもどこでもできるようになったことが、成果につながっているのでしょう。マギル大学の医学部がVRという最新テクノロジーを活用するようになった理由のひとつに以下のような背景があるようです。

“Spinal surgeries continue to grow in number while surgical procedures become more complex. For example, spinal surgeries involving fusions in the US rose to 413,171 cases in 2008 which was a 240% increase over figures from 1998. Globally, the number of spine fusion surgeries is expected to reach 3.4 million in 2020.”

「手術が複雑になるにつれて脊椎手術の需要は伸びてきています。アメリカ国内での2008年における脊椎手術は413,171ケースあり、これは1998年と比べて240%も増えていることになるのです。世界的に見ても脊椎手術の市場は2020年までに340万ドル規模にまで拡大していくと見込まれています。」

出典:McGillUniversity to partner with industry in developing virtual-reality trainingplatform for spinal surgery

https://www.mcgill.ca/newsroom/channels/news/mcgill-university-partner-industry-developing-virtual-reality-training-platform-spinal-surgery-287588

需要が増えているからには、人材育成を加速する必要があります。そこで、時間やお金などのコストを最小限に抑えながら教育の効率を良くするためのツールとして、VRが最適だということなのでしょう。

薬が体の中でどのような役割を果たすのかを、VRで観察する

アメリカのフロリダ州中西部のタンパにある、南フロリダ大学(University of South Florida)。こちらの大学の薬学部※では、VRを使って体内での薬の働きを観察できるプログラムを開発したと、学部長のケビン・スニード薬剤博士が2018年6月13日に発表しました。

※アメリカの薬学部は、通常、学士号を取得後の4年間の専門課程を指す。アメリカで薬剤師になるためには、大学4年+薬学部4年の課程を修め、Doctor of Pharmacy(PharmD)の学位を授与される必要がある。

““If a patient is starting a new medication, for example, we can show them using this virtual reality technology what the medication is going to do when it enters the body and how it is going to affect their organs,” Sneed said. “They’ll understand what the medication is doing on a level bigger than just telling them verbally what’s happening or have them read it on a piece of paper.””

「『もし患者さんが新しい薬を飲み始めるとき、我々は患者さんに対してその薬が体の中にどのように入っていき、臓器にどのように影響するのかをVRを通してお見せすることができます。患者さんたちは、薬がどのような役割を果たしているかを口頭や説明書で説明されるよりも、VRで見た方が理解しやすくなることでしょう。』とスニード薬学博士は言いました。」

出典:Virtualreality to add a new element of training to the College of Pharmacy
http://www.usforacle.com/news/view.php/1033972/Virtual-reality-to-add-a-new-element-of

従来の学習の方法であれば、薬が体内でどのような働きをしていくかは教科書のテキストやイラスト、またはビデオなどのアニメーション動画でしか見ることができませんでした。しかし、VRを活用させることで、よりリアルに現実的な動画を通してインプットすることが可能になります。

症状や病気によって処方される薬は違います。そのため、南フロリダ大学の薬学部のVR教材は、さまざまなシナリオから薬の働きを学べる仕組みになっています。VRなのでいつでもどこでもリアルな体験をすることが可能。初めて勉強するテーマはもちろん、テスト前の復習などでも活躍することは間違いありませんね。スニード薬学博士のコメントにもある通り、百聞は一見に如かず。VRでリアルな映像を見た方が、教科書だけで学ぶよりも記憶力の定着につながることでしょう。

時代の流れに応じて変わっていく医療教育

画像: 時代の流れに応じて変わっていく医療教育

drop magazineでは、語学学習や理科の人体模型などのVRやARを活用した教育事例を紹介してきました。今回は医療教育におけるVRの活用事例。このように教育業界ではさまざまな分野で着々とVRが使われ始めてきており、「教育」との親和性の高さが伺えます。

また日本では、人生100年時代を迎えるにあたって、医療の需要はますます高くなることでしょう。日本の医療教育においても、今回紹介した北米の例のようなVRを使った教育を始めているところが登場してきています。このような時代の変化に応じて、医療業界も積極的に変わる必要性が増していくことは間違いないでしょう。

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