恐怖を感じさせる出来事や事件に巻き込まれたあと、人は不安障害や恐怖症などの精神的な障害に悩まされることは、多くの方が知っているでしょう。前触れもなく突然不安になったり、鼓動が激しくなってしまったり。場合によっては手がしびれるなどの身体的な症状が起こることもあります。

そんな精神的障害の治療のために、近年注目を集めているのがVR。アメリカなどの英語圏をはじめとし、日本でも導入する医療機関が出てきています。世界的電子機器メーカーのサムスンが、この分野での取り組みを始めたことも記憶に新しいところです。

今回は、イギリスで起きた爆破テロ事件被害者のメンタルヘルスのリハビリで使われているVR事例をご紹介します。

世界中を震撼させた、アリアナ・グランデさんのコンサートでの爆破事件

画像1: Instagram post by Ariana Grande 窶「 May 30, 2017 at 3:29pm UTC www.instagram.com

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2017年5月22日、アメリカの有名歌手であるアリアナ・グランデさんのコンサートが、イギリス中部のマンチェスターにて行われました。公演中に爆発事故が発生。合計で22名が死亡、64名の負傷者が出た事件となりました。犯人はリビアにルーツを持つ、現地の22歳の男性でした。

亡くなった方の中には警察官や8歳の女の子が含まれているほか、負傷者の大多数は10代の若い女の子だったことがニューヨークタイムズ紙で報じられていました。日本でも大きく報道されていたので、ご存知の方も多いでしょう。

このような強烈に恐怖感を駆り立てられた事故の被害者は、トラウマやPTSDなどの精神的な障害に後々まで苦しめられる傾向が強いことがわかっています。

現地の大学とメンタルリハビリセンターがコラボ

歴史的な爆破事件を受け、マンチェスターにあるUniversity of Salfordという大学のテクノロジーに関する学部が、 Manchester Resilience Hubというメンタルヘルスのサポート機関とパートナーシップ提携を結びました。Manchester Resilience Hubは70年の歴史を持つ、地元でも有名な機関です。退役軍人のメンタルサポートの分野においても実績があります。

このパートナーシップは、爆破事件被害者のメンタルヘルスのリハビリを行うVRテクノロジーを開発することが目的でした。

どのようなセラピーなのか

Universityof Salfordが公式で公開している大学ニュースに、Manchester Resilience Hubとの共同プロジェクトの詳細がありました。

“With the help of the clinical leads of the Resilience hub, the University of Salford captured 360 video footage of Manchester arena. They then put this on VR phones so it can be viewed in the hand, and as the client gained confidence, through an immersive headset. They then worked with the Resilience Hub to specify safe and appropriate use of this powerful technology.”

「ManchesterResilience Hubの援助により、Universityof Salfordは事件が起きたマンチェスターアリーナの360度ビデオ動画を撮影しました。VRを装着すると、患者さんたちは没入感のあるVRによって自信を得られるようになります。そして彼らはManchester Resilience Hubのスタッフとともに安全を認識し、適切にVRを治療へ使うため取り組んでいきます。」

出典:Virtualreality used to help people affected by Manchester Arena attack
https://www.salford.ac.uk/news/articles/2018/virtual-reality-used-to-help-people-affected-by-manchester-arena-attack

ManchesterEvening Newsというマンチェスターの地元新聞によると、リハビリに使われるVRは、CAREN(Computer Assisted RehabilitationEnvironment)と呼ばれているのだとか。「コンピューターがリハビリを支援する環境」という意味が込められています。

“The CAREN uses carefully curated games such as city ride, skiing and football to make rehabilitation both fun and rewarding. They can be used freestanding, with assisted walking and also wheelchair users.”

「CARENは、スキーやフットボールなどのゲームを通して、リハビリをより面白く、価値を感じさせるために使われます。歩くのに補助が必要な人や車椅子を使用している人でも使うことができるものです。」

出典:VRrehabilitation equipment could be used to help children injured in ManchesterArena attack
https://www.manchestereveningnews.co.uk/news/vr-rehabilitation-children-manchester-arena-14221230

このようにVRのゲームをリハビリに活用し、「楽しさ」で患者さんに安心感を与えるのです。

どのような効果があげられるのか

VRはさまざまな治療に活用されており、CARENの他にも、メンタルヘルスの治療で有名な「暴露療法」でも効果が発揮されていることがわかりました。

“This technology introduces an extra and important step in exposure therapy, allowing clients to reduce their anxiety by facing their fears in a graduated way in the presence of their therapist. Lab based experiments showed that people’s brains re-learn how to inhibit fear after three sessions using our technology.”

「University of SalfordとManchester Resilience Hubが開発したVRのリハビリは、被害者たちが直面している悲しみからくる不安を抑えるための『暴露療法』において、重要なステップをもたらしています。実験室で行われた実験では、被害者たちの脳がテクノロジーを使い、悲しみを抑制する方法を学ぼうとしているということが証明されました。」

出典:Virtualreality used to help people affected by Manchester Arena attack
https://www.salford.ac.uk/news/articles/2018/virtual-reality-used-to-help-people-affected-by-manchester-arena-attack

※「暴露療法」とは、被害者にあえて恐怖を直面させることで、困難から逃げないようにするために使われています。PTSDや社会不安障害などでは一般的な治療方法です。

大学での実験によると、VRをリハビリのセラピーに使うことで、被害者の不安感や不信感が抑制されているという脳の測定データが出ているようです。

リハビリだけではなく、メンタルヘルスの研究に応用する可能性も

画像: リハビリだけではなく、メンタルヘルスの研究に応用する可能性も

VRを装着してメンタルヘルスのリハビリを進めるなかで、患者さんがどのようなタイミングで、どのような反応をしたのかを記録できるようになるかもしれません。そして、記録をデータベース化していくことで、医療機関や大学の医学部などにおいてメンタルヘルスの研究にプラスになることは間違いありません。また、ライブでの爆破事件のケースのように、民間のリハビリセンターとともに新しいVRリハビリプログラムを開発する最適な材料になることも期待できます。

VRは被害者の方々の治療にプラスの効果をもたらすだけではなく、開発をする側にとってもメリットの大きなツールであることがわかります。今後のさまざまな事件や出来事へ活用されていく展開に目が離せませんね。

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