もし世界中の冷蔵庫に入っているドリンクなど自社製品の購入履歴や購入者の属性を知ることができたら、そこから得られるメリットは計り知れないほど大きなものとなるのではないでしょうか。今回は実際にそんなシステムを導入したコカ・コーラのボトラー、コカ・コーラ・ヘレニク・ボトリング(コカ・コーラHBC)社が導入した実例を紹介します。

コカ・コーラHBC社とアトス社が目指すもの

画像: コカ・コーラHBC社とアトス社が目指すもの

コカ・コーラHBC社は、スイスのチューリヒに本社を構え、米コカ・コーラと契約を結び清涼飲料を製造する飲料最大手の1つ。ヨーロッパやロシア、ナイジェリアを中心に世界28カ国、5億9,500万人以上にコカ・コーラ社の飲料水を提供しています。

そして同社が在庫管理などを目的にパートナーシップを組んでいるのがアトスという会社です。アトス社はフランスを拠点とし、年商120億ユーロ、世界73カ国で約10万人の従業員を抱えるデジタル・トランスフォーメーション・シーンをけん引する企業で、IoT分野を引っ張っていく企業として世界中にその名を知られています。

2001年以降、国際オリンピック委員会(IOC)が最も信頼を寄せるワールドワイドITパートナーとしても重宝されており、オリンピック・パラリンピック大会でもITソリューションの提供を続け、それは今後も続いていきます。また、日本市場でも日本法人のアトス株式会社を通じて10年以上の実績を持っています。

アトス社は15年間にわたってコカ・コーラHBCの戦略的ITパートナーを務めてきましたが、今年7月に新たな契約を同社と交わすことになりました。それが世界中にあるコカ・コーラHBC社の冷蔵庫のIoT化というプロジェクトです。コカ・コーラHBC社が世界28カ国にわたって展開している冷蔵庫にアクセスし、在庫の管理をはじめ、ユーザーの行動属性などさまざまな分析を可能とするIoTサービスを提供することになったのです。

このように小売りから消費者までを含めたフルパッケージのエコシステムを取り扱うサービスの提供は、アトス社にとっても初めての試みだといいます。同社は消費者の動向やリテールのパフォーマンスを明らかにすることで、現場でのオペレーション効率の向上、さらには売り上げの増大などが見込めるとしています。

冷蔵庫にアクセスすることで得られるものとは?

画像: 冷蔵庫にアクセスすることで得られるものとは?

アトス社の「アトス・コデクス・コネクティッド・クーラー・ソリューション」という技術を駆使し、コカ・コーラHBC社の稼働中の冷蔵庫をネットワーク化することで、お店の冷蔵庫がそっくりそのままコカ・コーラHBC社のデジタル面でのシステム戦略を実現する重要な拠点となります。

現在、コカ・コーラHBC社は世界中に約160万の冷蔵庫を保有していますが、2018年末までにまずは30万の冷蔵庫のネットワーク化を目指します。

この技術を利用することで具体的に得られるデータは店の冷蔵庫の位置、稼働率、温度、在庫の量、商品の配置、消費者の動向、さらには同エリアの流行など莫大なものになります。このエンド・ツー・エンドのソリューションによってコカ・コーラHBC社は、同社がオペレーションを行っている世界28カ国のすべての冷蔵庫を正確にマネージメントできるようになるわけです。

また、このシステムはアクセスの容易さも特徴の1つで、モバイル・アプリからリアル・タイムで消費者の動向を確認することができます。つまりいつでも適切なタイミングで思い通りのプロモーションが可能となるわけです。たとえ遠方であっても商品の売り上げ増に向けたアクションを、直接的かつ容易に行えるようになります。

飲料業界の新IoT として期待されるこのシステムは導入も簡単だとのこと。新たな機器の設置をせずとも、すでに存在している温度センサーを使うことも場合によっては可能です。また、処理及び解析されたデータはすべてクラウド・ベースで管理され、セキュリティにも万全をきたしているようです。

アトス社がこうした高い信頼性の元、IoT技術を駆使できる背景には、アメリカのマイクロ・ソフト社やイー・ベストIoT社をはじめとした高い技術を誇るIT企業との長年にわたる連携があってこそ。その長年のパートナーシップが、アトス社のフレキシブルで拡張性が高く、安全なエンド・ツー・エンド・テクノロジー「コネクティッド・クーラー・ソリューション」を支えているわけです。

自動販売機やコーヒーマシンもIoTでつながる時代に!?

画像: 自動販売機やコーヒーマシンもIoTでつながる時代に!?

コカ・コーラHBC、アレイン・ブロウハード氏は今回のパートナーシップに対して以下のようにコメントをしています。

「冷蔵庫をネットワーク化することで市場をデジタル化して管理するという我々の旅は始まったばかり。消費者とお店をコネクトすることで得られる新しい環境は、マーケットへのアクセスを容易にすると共に短時間化し、さらに作業効率をも上げてくれます。また、より洞察力に満ちた市場分析が可能になることで大事なお客さまへの貢献度も上がることでしょう」

一方、アトス社のピーター・プルイム副社長はこのようにコメントしています。

「今回の提携は完全なるエコシステムの実現に向けた最初の一歩です。このエンド・ツー・エンドのソリューションによって、コカ・コーラHBC社の抱える莫大な量の冷蔵庫からデータを収集し、それを管理・活用することができるようになりますが、目指しているのはそれだけではありません。商品棚など、冷蔵庫以外のものをIoT化していくための基盤技術にもなります。冷蔵庫だけではなくそのほかのデバイスもIoT化されることで、それらもまた顧客エンゲージメントを高めるための重要な接点となるに違いありません」

アトス社は、冷蔵庫のIoT化を皮切りにリテールの販売プロセスに関わるすべてのデバイスのIoT化を目論んでいるそうです。前述のピーター・プルイム副社長のコメントにあった商品棚はもちろん、自動販売機やコーヒー・マシーンなどもIoT化を目指していくとのこと。それにより、消費者の動向やサービスや商品の利用料やオペレーションの状況などを詳細に把握することができるようになります。

そのベースとなるテクノロジーを提供するマイクロソフト社のジェネラル・マネジャーのトレイス・イセル氏はこのプロジェクトに関して以下のようにコメントをしています。

「このソリューションは非常に理想的なものですが、それもアトス社との強力なパートナーシップあってこそ実現が可能になります。今後、サービスを導入するクライアントは冷蔵庫に始まり、その後はリテール内のさまざまなデバイスから価値ある情報を手にできるようになるでしょう」

IoTを利用することで在庫管理だけではなく、売れ行きや消費者動向まで知ることができる時代になっていることには驚かされますが、この新たな流れは今後既定路線になっていくことでしょう。消費者の行動分析などによって、細かいエリアごとに、異なるマーケティングを行えるのは魅力的。旧態依然としたマーケティング手法にとらわれず、技術の進化と共に、取り入れられるものはスピーディーに取り入れていきたいですね。

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