食糧廃棄物が世界的な問題として取り上げられるようになって久しいですが、多くの国が対応に頭を悩ませています。その解決に向けて現在、IoTが注目されています。本記事ではこの問題の解決にIoTがどのように活用されるのか、そして実際に取り組んでいる企業3社とその実例を紹介していきます。

年間約13億トンの食料が廃棄され、その一方で8億人以上が飢餓で苦しんでいる

画像1: 年間約13億トンの食料が廃棄され、その一方で8億人以上が飢餓で苦しんでいる

アメリカ・カリフォルニア州にZest Lab社という、フード・デリバリー企業があります。職業廃棄物問題を含めた環境問題にも積極的に取り組んでいる会社ですが、同社CEOのPeter Mehringさんはこのようなことを話しています。

「飲食産業の分野では解決しなければならない問題が山積みとなっています。たとえば農産物の食料廃棄問題です。収穫された農作物は最終的にはその30~40パーセントが廃棄処理をされています。そして驚くべきことにその半分は消費者の手元に届く前に起きています」

つまり、栽培している農産物の15~20パーセントは作っただけで捨てられているのです。

食料廃棄は世界規模の深刻な問題です。世界中の廃棄食料の量は年間約13億トンにも上ると言われていますが、その一方で世界中には約8億人以上の飢餓で苦しむ人びとがいます。栄養失調による死はまったく減っていないにも関わらず、世界中で食料は適正な量よりもはるかに多く生産されているのです。

そしてその損失は、額にして先進国で6800億ドル、発展途上国で3100億ドルともいわれます。日本円にして約100兆円という、とんでもない額です。

画像2: 年間約13億トンの食料が廃棄され、その一方で8億人以上が飢餓で苦しんでいる

そのような無駄が起きる背景には、フード・サプライ・チェーンの不透明な仕組みがあります。サプライ・チェーンとは、原料の段階から製品やサービスが消費者の手に届くまでの全プロセスのつながりのことを示し、食料品業界においては、食料品の素材の生産から加工、物流、小売りなど消費者の手に届くまでのプロセス全体を指します。

農産物を始めとした大量の食料が、消費者の手元に届く以前にお店への陳列を拒否されます。その理由として挙げられるおもな理由は、スーパーマーケットが定める「見た目」の基準に見合わないなどといったものになります。たとえば収穫時についた傷が原因で廃棄処分になったり、場合によっては理由が不明というケースもあるそうです。

最新のIoT技術がサプライ・チェーンの透明化を実現

画像: 最新のIoT技術がサプライ・チェーンの透明化を実現

食品廃棄の問題は単純に食料自身の問題だけにとどまらず、環境にもインパクトを与えています。

たとえば食べられなかった食品を作るのに使われた無駄な水や肥料、農薬、作物の種子、燃料など、関連して無駄になるものの量もまた尋常ではありません。

この問題は、将来的な食糧危機にもつながりかねない大きな問題でもあり、世界中の専門家、また国や地域などの自治体が問題解決に向けてチャレンジを繰り返してはいますが、未だ根本的な解決は見えてはいません。

しかし、テクノロジーの進化が著しい昨今、この問題の唯一無二のソリューションとしてIoTがクローズアップされています。最新のIoT技術がサプライ・チェーンの透明化を実現し始めているのです。

ではIOTは、どのようなベネフィットを食品産業に与えてくれるのでしょうか。

最も大きなベネフィットは、膨大な量の食料品データをスピーディーに処理、分析できることです。それによって自己学習や効果的な未来予測、さらに効率性の高いワークフローの構築などが可能となり、完全なフード・サプライ・チェーンの実現を目指そうというわけです。

IOTと紐づいたクラウド・ストレージは、完全な透明性を持ったものになります。生産者から中間事業者、小売り、消費者までとエンド・トゥ・エンドのプロセスのすべてが透明化されるようになれば大いなる無駄も省けるようになります。無駄と腐敗を撤廃するトレーサビリティーの実現は、よりクオリティの高い生活の実現につながると期待されています。

そうした取り組みを積極的に行っている3社を紹介しましょう。

ディスカバリーIoT(discoveryIoT)

https://discoveryiot.com/

CliotというIoTタグを開発している企業です。タグと言ってもそれ自体はマイクロチップなのでハードウェアを用意する必要がないため、コストは1つあたり10セントと非常に安価なのも特徴です。

Cliotを使うことでリアルタイムのストックを把握できるようになると共に、セールス・データも把握できるようになります。これにより、空いている棚など無駄なスペースを減らすこともできるようになります。リテールの多くは大量の予算を投じて、労多くして益の少ない方法でトラッキングを行っていますが、この方法により、安価で正確な情報を得られるようになります。

消費者の正確な動向を見ることには、たいへんな価値があります。これはまた、消費者のさらなる満足を生み出すことにもつながります。

ステラプス(stellapps)

http://www.stellapps.com/

デイリー・プロダクト専門に開発されたIoTをフル活用しているインドの乳製品会社です。

「SMARTMOO」というIoTを利用し、牛の個体をはじめ、オートメーション化されたミルク・コントロール・システム、ミルクを冷やす機械、ミルクを絞る行程など、あらゆる工程でIoTのシステムを埋め込み、センサーを通してデータを収集しています。

スマート・ファームを名付けられたこのメカニズムを使うことで、牛を健康的に保つとともに高いクオリティのデイリー・プロダクトを提供することを可能としています。

タグ・ボックス(Tag Box)

画像: タグ・ボックス(Tag Box)

https://www.tagbox.in/

冷蔵室を積んだトラックなどをはじめとした低温流通系のビジネスのための財団です。

IoTを利用し、庫内の状況などをリアルタイムに分析することで、ダメになってしまう冷凍製品を減らすことを目的としています。また、到着の遅れや損傷などの理由でダメになってしまうプロダクトを減らすことも目指し、エンド・トゥ・エンドでのトレースをしています。

また、運転時にどのようなショックがプロダクトに与えられたか、またどのような取り扱いの間違いによってダメージが与えられたかなどといったデータも見られるようになっています。

食品産業では、輸出先の発展途上国で数値がマニュアルで管理されているなど、ずさんなデータ管理がまかり通ってきました。そしてそれによって生み出される不利益は秘密にされてきました。その結果、さまざまなミスジャッジが置きます。そういった現状をIoTであれば打破することが可能になります。隠されていた不都合な真実を知ることで、より良い生活水準というゴールを達成できるようになります。

そしてこうしたIoTなどの最新テクノロジーへの適応力が、今後の食品産業の健全性をより持続的なものに強化していくはずです。

繰り返しになりますが、廃棄物の問題は今や世界規模の大きな問題です。こうした問題解決に取り組むことが、今後の人類全体の幸福度に大きく貢献することは間違いないでしょう。

(PR)フィジタルをマーケティングに活用したい方におすすめのソリューション
drop: Phygital Marketing Lab

デジタルによるビッグデータの取得・活用と、リアルでのブランド体験の提供を両立

・フィジタルを通じたユーザー行動をデータ化し、マーケティングに活用
・リアルビジネスにフィジタルを融合することで、デジタル活用の機会が広がる
・感情をデータ化し、よりユーザー意向に合わせたデータマーケティングを実現

フィジタルマーケティングプラットフォーム

・データベースマーケティングの仕組みをVR/ARといった体験型コンテンツに融合
・コンテンツ価値を単なる「体験」から「継続的なコミュニケーション」を創出できる「起点」にする。
・未来技術と外部コミュニケーションをつなぐハブとなるプラットフォーム

dropのサービス

・フィジタルコンテンツ製品/サービスの企画・開発・運用
・フィジタルなイベント/製品などの告知・販促
・個々のフィジタル製品のネットワーク化
・フィジタルを通じて得たユーザーデータの分析
・フィジタルを活用したコミュニケーション設計、施策の企画・運用
・PDCAを通じて得た知見の反映・コンテンツアップデート
・その他、フィジタル領域に関する課題解決のご支援

詳しくはこちら

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.